自ら決定するほど人生の幸福感は高まる
とある精神科医の話
老人ホームの入居者を対象にしたある実験の話。老人たちを二つのグループに分け、一つのグループには、いろいろなことを自分で決めてもらうようにする。たとえば、訪問客と面会する場所や、ホームで上映される映画を観るかどうか、観るとしたらいつ観るか、といったようなことだ。また、このグループの老人たちは、自分で世話をする植木を選ぶことができる。植木を置く場所や、水やりの時間、水の量も、自分で決めることになる。
もう一つのグループの老人たちには、いつも通りの老人ホームの生活を送ってもらった。自分で何かを決めるような指示はしていない。彼らの部屋にも植物はあるが、水やりはいつも通りスタッフの仕事だ。実験を始めてから一年半がたち、自分で決めるグループと、いつも通りのグループの間には、大きな違いが見られるようになった。自分で決めるグループのメンバーのほうが、より元気があり、活動的で、頭の働きもしっかりしている。(中略)自分で決めるグループから出た死亡者は、いつも通りのグループの死亡者の半分にも満たなかったという結果に。
決済権はなくとも嫁が決めた、親が決めた、上司が言っていたからではなく最後は自分で決める人生でありたい
このように自分の人生を自分で決めて選択していれば、幸せになれるだけでなく健康にまでなれる。だからどんなに老いて体が弱っても、人生の舵はできるかぎり自分で切ったほうがいい。人生決断しなければならないときが必ずあり、自ら選択し決定することが増えるほど、人生の幸福感や達成感、自尊感情は高まるということ。
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